宇宙を翔ける若者たち第2部第7章 帰宅中の停電

宇宙を翔ける若者たち

第2部 惑星移住

第7章 帰宅中の停電
・・・・・会釈してドアを開けた。ドアの方へヤスジは数歩あるき、廊下に出たエツコを見送った。ドアの閉まる音がした後に、机の処に戻り、座ってから手帳を開いた。
その手帳には数式や図形が書かれていて、数ページをめくり、今日あった出来事を白紙のページに
【原子と電子が余ったところや足らない電子が、引き合う事で見かけ上の電子の移動が重力。プランク定数と時間についての関連は?】と書き記した。
それから、メモに書いた図と手帳に書いた事を研究日誌に記録してから、アナウンサーに会う前に考えていた事について思いめぐらした。
部屋がいつの間にか薄暗くなり、屋外では夕日で空の雲が黄色に輝いていた。ヤスジは時計を見ると閉館時間に成っていた。
一方、実験室では、アーサー・ブライアントとフジタ・キヨシは今日のデーターと実験録画を見ながら、問題点について話し合っていた。「ソフトに不具合があったのでは?」キヨシはアーサーに聞く。
「ソフトの実証実験では、問題は無かったです。」アーサーは答えている時に、リュックを背負った教授が入ってきた。
ヤスジは「今日もごくろうさん、もう少しで解明しそうですが、早く帰ってリラックス効果を高めたいので、みんなも帰りましょう。」上機嫌な顔で言った。
キヨシは「教授、リラックス効果って、何ですか?」質問した。
ヤスジは「問題に行き詰まったりした時、その事から一旦離れて再びやり直すと物事がはかどる効果の事だが、その効果の正式な名前を忘れたのでリラックス効果と言った訳だよ。」説明した後、異論が無い様なので「皆、今日は家でくつろいでくれたまえ。」言って、皆を送り出した。
それからヤスジは、自分の教授室に戻って机上の電話で、母親に夕食には間に合いそうだとをする。
研究場のドアの鍵を閉めて自転車置き場まで歩いていると、幾多の学生から「先生さようなら!」別れの挨拶を掛けられ、彼も答えて挨拶した。 
大学の周りでは、公道沿いのビルや家並みは窓から明かりが灯っていて、ヤスジは自転車で門を出て駅まで向った。
夕方の通勤時間の商店街は、人の往来が増えて活況を提し、通り沿いの道路では車やバイクで混み合っていた。
商店街を抜け、駅前のバスターミナルやタクシー広場まで車の渋滞の影響で20分掛かってしまった。
駅前の信号が赤から青に変わって人々は歩きだし、ヤスジは横断歩道の横を自転車で渡り終えて自転車置き場で自転車を降りて鍵をかけてカゴからリュックを出して背負って改札口に向かった。
エスカレータと横の通路を通勤客の群は川のように流れていた。ヤスジもその流れに付いていき、改札口までやって来た。
ヤスジは次の列車到着表を見ると電車の到着まで5分を残しているので「やれやれ、間に合った。」胸をなで下ろした。
改札ゲートで人々は財布や定期入れや携帯電話でカード読み取り機にかざして通っていく。
ヤスジも用意していたカードを読み取り機に当ててゲートを通り抜けた。ホームでは、余り待つことなく程なくして電車は滑り込んで停車した。
電車のドアが開き、中からサラリーマンや学生などが中から続々と出てきた。降りる人が居なくなって、乗るのを待っている乗客と共にヤスジは電車に乗った。
ドアが閉まり、電車は音もなく滑り出し加速していく。ヤスジは音もせずに体が後方の残る感覚にいつも違和感を感じていた。
しばらくして車内案内が流れる「これからの停車します駅はオオノ町・ミカサ・イチノミヤ駅に止まります。」案内が終わると音楽が流れる。♪~♪♭♪-♭♪~♪♪
ヤスジは吊革を握って窓側に向かって立って、外を見ていた。
車内の音楽が消えて「次はオオノ町・オオノ町駅に止まります。お降りの際は忘れ物なさらない様、お願いします。本日はご利用ありがとうございました。」案内が流れた。
ヤスジはポケットから手帳を出し、今日有った事が書いているページをめくって見た。
ヤスジは熱中していたので、ミカサ駅を過ぎたのを気づかず「・・・・・・イチノミヤ駅に止まります。お降りの際は忘れ物なさらない様、お願いします。本日はご利用ありがとうございました。」案内に気づいてハッとした。
電車から降りたヤスジは余り高くないビルが見える駅前を見て顔の表情が緩んだ。
それからバスに乗り換えるヤスジ。座席にはいつもの乗客でないことに気づく(そうか、今日は自分が早く帰っているのだから仕方ない。)と思った。
バスが駅から走行して15分経って交差点に差し掛かった時に,前方の信号機の赤色が消えると同時に全世帯の電灯が一斉に消えた。
バスは減速して停止寸前であったが、バスの運転手は周りを見て停車した「参ったな~こういう時に貰い事故に会いやすい。うーん・・・・」考え込んだ。
運転手は無線で営業所に連絡を試みるが応答しない。
無線をあきらめ、仕方なく自分のスマートホンで営業所専用の携帯電話に掛けて見たが話中であった。仕方なく所長に電話をしてみた。やっと所長の携帯と通じて「キムラです。信号や街灯が全て消えています。どうしましょうか?」話した。
電波状態が良くなく「交差点の進入前はライト高めにして、その後すぐ低めにして徐行運転でしてください。原因はまだ分からないが気をつけて運行頼む。」所長は指示した。
バスは徐行して交差点を通過した。結局、何度も交差点で徐行する為、駅から一宮神社前のバス停まで1時間半掛かってしまった。
バス停で母親が懐中電灯を持って出迎えに来ていた。ヤスジはバスから降りて母に気づいて「あ、母さんありがとう!これ助かるわ。」と言ってヤスジは懐中電灯を受けとった。
「早く、私の代わりに良いお嫁さんを見つけ欲しいよ。」タカミ・ハナコは息子に結婚を早くするように願望を込めて言った。
ヤスジは「母さん、僕はまだ30に成っていないよ。」結婚は遠い将来のことで他人事のように言った。
ハナコは「いい人いないの?」聞いてみた。
ヤスジ「今は研究の事で一杯することがあるので恋愛どころではないよ」は答えた。
親子は夜道を懐中電灯で道を照らしながら家路についた。

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