宇宙を翔ける若者たち第2部第10章

宇宙を翔ける若者たち

第2部 惑星移住へ

第10章 宇宙遭難
遭難ニュースより時間を遡る事、2時間前にマゴグ上空の大気圏外では、マゴグ宇宙デブリ回収船は不要になった自国の軍事衛星を回収中であった。
操縦士のバン船長は「ウエン中佐、先ず太陽パネルから回収してください。」中佐に指示した。
「了解しました。」ウエン中佐は答えて、ロボットアームを操作し始めて小1時間で片方のパネルを折りたたんで回収した。
続いて、もう一方のパネルを回収していた時にロボットアームの力加減が強すぎてホルダーごと引きちぎった為、ホルダーが幾つかの破片となって宇宙区間に飛び散った。「あっ、しまった。」ウエン中佐は叫んだ。
バン船長は「仕方が無い、国際宇宙デブリ監視機構に報告するしかない。」そう言ってから監視機構に連絡する。
「こちらゴグ回収船です。ただいま衛星を除去作業中に衛星の一部が幾つかの破片となって飛び散った事を報告します。以降、各国宇宙デブリ監視機構に警告の程、よろしくお願いします。」事務的に監視機構へ伝えた。
エンドラント国際宇宙デブリ監視機構は、各国の宇宙デブリ監視機構に連絡をした。
その同時刻、アスカの宇宙デブリ監視機構のハナヤマ監視所では、交代時刻となって引継ぎをしていた。
監視室では、当直者から交代者へ今日あった事の連絡事項を伝え合っていた。監視ルームに残された係員は熱の為に体調を崩していて、エンドラント国際宇宙デブリ監視機構からの連絡速報が監視モニターに新たなデブリ発生情報を見落としていた。
新たなデブリ発生から数分後、宇宙太陽光発電所では、そんな事態とは知らない3名の監視員は、発電量とマイクロ波返還効率のデーターを監視ながら「トミタ、いよいよ帰る日が近づいたな。羨ましいよ。」小柄で痩せぎすなホッタは言った。
「そうだなー、6ヶ月は長いよ。もっと短くすべきだ。それに地上に帰還すると3ヶ月以上のリハビリが待っているのがおっくうだよ!そう言うお前だってあと2ヶ月すれば帰れるよ。」トミタはうれしさ半分・憂鬱さ半分の感情がよぎりながら言った。
「そうだな、でもまだ3分の1残っている。」ホッタは言った。
もう1人は話しに加わらず発電量モニターを注視していた。
突然、警報が鳴り響き、3人は慌て警報が鳴っているパネルとそのモニターを見つめる。
デブリ接近の警報だった。
「ホッタ、監視センターは何も知らせていないぞ。どう言う事だ!」トミタが聞いた。
「警報の履歴は残っていない。・・・・・待て、今何か文書を送ってきている。・・・新たに発生したデブリは其方に向かっている。速やかに回避せよ。」ホッタはモニターの文を復唱した。
「いけね、いけね。本当だ!ちっこいのが向かってきている。少し下降して太陽パネルを守るぞ。」トミタは下降用ノズルのスイッチを押し、コントロールレバーで操縦し始めた。
モニターを見ていたフクダは「どうか当たりませんように、神様お願いします。」叫んだ。
「馬鹿やろう!トミタを信じろ!」ホッタはフクダを怒鳴った。
宇宙発電所は50メートル下降途中、あと少しという時にデブリは急速に接近し、倉庫室をかすめた後に角度が変わったデブリはアメカのケワウ諸島の方面に遠ざかって行った。その影響で、宇宙太陽光発電所は姿勢が変わり、マイクロ波変換装置は自動ストップした。
その頃、アメカのケワウ諸島の大気圏外では、アスカ宇宙デブリ回収船は不要になった気象衛星を回収中に向かっていた。
気象衛星の背後から迫っている事を知らないタケベは、13才になる子供の写真を見ていた。警報が鳴り始めたので、モニターを見ると地上からの緊急連絡で、即刻退避せよと命令文がテロップで流れた。タケベは監視モニターには移らないので大丈夫と高を括っていたら。
デブリが回収船の死角から気象衛星のぶつかった事により、その反動で気象衛星が回収船に接触し、空気は宇宙空間に漏れはじめた。
仮眠中のホシは衝撃で目が覚め、体を固定していたバンドを解いて、通路に出ると微かにシューと音がするので「やばい、何か事故が起きて空気が漏れている。急いで宇宙服を着なくては・・・」と言って保管庫に向かい宇宙服を着用して、コントロールルームへ向かった。
気絶しているタケベを揺さぶっても意識が戻らず、宇宙ヘルメットをつけて救難信号のスイッチを押してコントロールルームを出た。
それから、コンロールルームを遮蔽して、仮眠室にタケベを寝かせた。タケベはグーグーといびきをかくだけで意識は戻らない。
遭難から、約6時間宇宙空間に漂ったアスカの宇宙デブリ回収船の2人であった。

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