宇宙を翔ける若者たち第2部第12章

宇宙を翔ける若者たち
第2部惑星移住へ
第12章 宗教オタクのキヨシと色白なアーサー
歩きながらヤスジは「いつ仕事に戻る?」ヒロシに聞いてみた。
「そうだな、当分は骨密度が正常になるまでは、今は地上勤務で派遣チームのサポートに回る退屈な勤務だ。彼らが戻ってくる3ヶ月後に交代となるよ。」ヒロシはヤスジの質問に答えた。
「そうか3ヶ月は居られる訳だ。今度は俺が飲む機会を作るよ。」ヤスジは次も一緒に飲む事を約束した。
「バス停がある。そこの信号機の前で別れよう。俺はアパートが近いから歩いて帰るよ。それじゃぁ、お休み!」ヒロシは手を上げてアパートの方に歩き始めた。
「お休み!」ヤスジも手を上げて別れを告げた。
ヤスジはバス停まで、あと数メートル手前の処から急に酔いが回ってきて、
歩道中央よりの歩道面に埋め込められた硬貨より大きいオムスビ型の案内機の上をよろめき始めた。
バス停の方に歩き出すと・・{音楽堂前バス停まであと3メートルです。}案内機からの無機質な音声が聞こえてくる。
ヤスジは「あと少しなのに・・・」呟いて一歩引み出すと、右側によろめいたので踏ん張った。その反動で、今度は左側によろめきながら2歩後退したら、四角形の案内機が点滅し、その横端の案内表示器に『ミカサ駅まで、歩いて7分です。』と表示している。
ヤスジは数メートルの処を2分掛かって、やっとバス停にたどり着いてイスに座った。そこから意識は朦朧(もうろう)してきた。
「ヤッちゃん、何時まで寝ているの、起きて!ご飯食べてくれないと後片付けは出来ないわ。」ハナコは1階からヤスジに声を掛けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ヤスジは「う~ん、あれー」昨日はどう帰ったのか、よく覚えていない。
ヤスジは「分かった。今、降りていくから。」急いで着替えを持って1階に降りていった。
パジャマ姿のヤスジは「おはよう・・・ございます。ふぁあー」と言って背伸びをした。
ハナコは「おはよう。昨日は風呂も入っていないでしょう。急いでシャワーを浴びなさい。洗面所にタオルと下着を用意しているから。」ヤスジに話しかけた。
椅子に座っているトシカズは「おはよう!昨日、ホシ君は元気そうだったか?」ヒロシの様子を聞いてきた。
ヤスジは洗面所に行くのを止めて、父親の方に向いて答えた。
「どこも怪我ない様子で、心配してくれた親父にありがとうと言っていたよ。」
言い終えてから居間から出た。
ホッとしたトシカズは「そうか。良かった!又、酒でも飲みに来なさいとヒロシ君に伝えてくれ。」居間をヤスジに伝言を頼んだ。
洗面所に向かいながら「うん、伝えとくよ。」ヤスジは答えた。
「母さん、何時だったかヤスジは言っていたね。宗教に詳しい者がいると、そうだ、研究生全員と昼食を取るのも良いだろう。」ハナコに聞いた。
ハナコは「私も賑やかは良いですね。ヤッちゃんに聞いてみます。」洗面所に行き、ヤスジに聞いた。
「お父さんがね、研究生全員を昼食に招待したいと言っているの、皆さんに言ってくださいね。」話しかけた。
ヤスジは「皆に聞いて、都合の良い日が決まったら教えるよ。」体に付いた泡をシャワーで洗い流しながら言った。
10分後、シャワーを浴びて着替えを済ませたヤスジは、両親と一緒に御飯・焼き魚・味噌汁の朝食を摂って研究所に出勤していった。
研究所では、フジタ・キヨシが一番乗りで来ていた。キヨシは自分の席で《世界の宗教》と言う本を開いていた。最初の目次には一神教と多神教、次のページには自力救済と他力救済が書かれている本の8割方を読み終わっていて、比較論を読み「神は人を罰する。その宗教を信じない者に熾烈な懲罰を加えるなんて、納得がいかない。家に帰ったらラ-バン・オワフに聞いてみよう。」一人ごとを言っていた時に、
事務員とアーサー・ブライアントが入ってきた。
事務員は「おはようございます。どうしたの?早いはね。」挨拶してきた。
色白で顔の輪郭は中性的でアリヤ人というよりも、鼻筋が通って耳は大きいアスカ人ぽいアーサーが入って来て「おはようございます。」キヨシに挨拶した。
キヨシは「昨日の停電でする事も無く、PCのネット仲間を交信した後、目を瞑って宗教と神について考えていたら、いつの間にか眠ってしまった。その為に今朝は早く目が覚めました。」早起きの理由を説明した。
アーサーにキヨシは「君は、神を信じない人に【神】は懲罰を加えると唱えている宗教に、どう思いますか?」聞いた。
アーサーは「その宗教の神は、人間に近い人格神と言えますね。しかし、人間の親が子供の成長を見守るように、神も私たちが気づくまで見守っていると思う方が安心できると思います。余り考え過ぎずに毎日を過ごせば良いですよ。」客観的に分析しながら淡々と話した。
キヨシは「アーサー君は、神を畏敬するとか、崇拝する気持ちが無く、無信仰なの?」神に対して、どう考えているかアーサーに聞いてみた。
アーサーは「物理学や量子力学は未成熟のために、神を合理的な説明で証明を試みるのは時間の無駄だと思う。だけど神は実在する事について否定しません。」客観的な考えで科学と神について説明し、キヨシとは対照的なアーサーであった。

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